ゲルインクボールペンのキャップ式とノック式の違い

ゲルインクボールペンにはキャップ式とノック式のものが売られている.経験上,キャップ式の方がインクの出が良く,軽くサラサラと書けることが多い.これは何故だろうか? 今回は,それを説明するための根拠をネット上で見つけたので記録しておく.

三菱鉛筆社の公式ホームページ *1 *2 によると, ジェットストリームやシグノ等のノック式ボールペンでは, ペン先からインクの漏れや揮発を防ぐために, 内部にバネが仕込んであって,金属ボールを外側に押しているらしい. したがって,ノック式の場合,筆記する際には(僅かであると思うが)バネを内側に押し戻すための圧力が必要になる. キャップ式では,単に紙に接触させて転がすだけで良い.これが冒頭で述べた筆記感の差を生み出しているのではないだろうか.

最後に,キャップ式でもバネが仕込んであるペンもあるということを注意しておこう.

  • ぺんてる社のエナージェルのキャップ版はバネ有りである.驚くべきことに,替芯がキャップ式・ノック式ともに共通である.
  • 三菱鉛筆社のユニボールシグノ1.0mm(UM-153)もバネ有り.ただし,細字はバネ無しである.ボール系が大きいと必要以上にインクが漏れてしまうのかもしれない.

『いかにして問題をとくか』G. Polya著,柿内賢信訳,丸善出版

本書は数学者G. Polyaの古典的名著“How To Solve It (1945)”の日本語訳. ちなみに,日本語版の初版は1954年.

背表紙にはいかにも古めかしいフォントで書かれたタイトルが書かれている. そのレトロな雰囲気に惹かれて,何度か立ち見したことがあったが,結局買わずじまいでいた. 高度な数学テクニックを期待してページをめくっとみると,教師と生徒が直方体の対角線の長さの求め方を論じているのだから,時代遅れの本だと思って買うことはなかった. それが最近になって,ネットで名著であることを知り購入. しかし文章がどうにも読みにくくて仕方がない. 本書の読了率は半分以下で. 名著といわれる所以は自分なりに理解できたと思う.

やはり,立ち見のときに感じた通り,解法を思いつく方法が主題ではないようだ. 少なくとも,本書を読んでも今まで解けなかった数学の問題が解けるようにはならないだろう.

数学における「近代発見学」,つまり,解答に至るまでの思考過程の分析とその方法論について,著者の考察が詳細に描かれている.読者対象は,どちらかというと学生ではなく,教える側の人間であると私は思う.書かれている事柄は,数学が得意な人にとっては,無意識に実践していることであるし,知らなかったとしても,本書を読んだから,解けなかった問題が解けるようになるとは思えない.数学以外にも応用し得るというレビューも散見されるが,それについても私は懐疑的である(具体的にどのように役に立ったのだろう?).しかし,教える側の人間にとっては,数学教育方法論の原典として,依然として価値はあるだろう.いかんせん,原著初版が出版されてから70年以上も経過しているので,色々と古いことは否めないが,名著を味わう目的で読んでみてはいかがだろうか.   (2017/09/24: 改訂&短縮化)

Uniball AIR (三菱鉛筆)

Uniball AIR(ユニボールエア)は2015年11月16日に発売された三菱鉛筆社製のローラーボールペンである. 1年間程使ってみたので,レビューを書いておく.

筆記感は名前にAIRとある通り確かに軽い(空気のように軽い書き味という表現は正直しっくりこないが). ボール径が0.5mmのAIRで,Vision Elite(同社)やバイオニックワーカー(スタビロ) と同等でぐらいだろうか. Vコーン(パイロット)やUniball Eye(同社)より軽いように感じる. 筆跡に濃淡が付くほどインクフローは多め.その一方で,乾きは遅いようなので注意が必要である.

AIRの最大の謳い文句は, 筆圧と筆記角度によって描線の太さがコントロールできることである. つまり,ペンを立てたり弱めに書けば描線が細くなり,逆にペンを寝かせたり強めに書けば太くなるということである. これは普通のボールペンでも当たり前のことだが,AIRの場合は特に強弱がつけやすくなっているということらしい. ペンを紙に押し付けるとペン先(ボール?)が若干沈み込むので,これが強弱を生み出しているのだろう. トメ・ハネ・ハライの書き分けが必要な日本語の筆記には便利だと思う.

もうひとつのAIRの特徴は,チップ(ボールを保持している先端の金属部分)を覆う樹脂カバーである. これが滑らかな筆記感を生み出しているとのこと. さらに,樹脂であるが故に,使っていくうちに摩耗し,自分の手に馴染むらしい(公式サイトより). 1年間は使ってみたが,私には実感できなかった. 逆に,樹脂が損傷して毛羽立ってしまい,筆記に悪影響が出たということがあり,欠点の方が大きいように思える. 試しに樹脂部分を削ってみると,普通に金属チップが露出し筆記可能になったが,やはり筆記感は微妙に なってしまった. 樹脂カバーについては機能性云々よりも,ペン先の金属光沢が黒で遮蔽されるのが個人的には嬉しい.

キャップは半透明で,グリップは滑り止めはなく,ツルツルのプラスチック. ペン先の辺りに変なデザインが施されてるが,これは無いほうがシンプルで良かった. 全体的には可もなく不可もなくといったところ.

最後にまとめ.使い始めはなかなか軽快な筆記感で好印象だったが,使っていくうちに 樹脂カバー周りの不具合が発生し,使用頻度は下がっていった.ただ,日本語を書く場合 (特に宛名書き)には最も良いボールペンであると思う. しかしながら総合的に見て,同社のVision Eliteのほうが優れているというのが結論である.

(2017年12月7日大幅改訂)

実験:ペーパークロマトグラフィーでローラーボール比較

概要

Vision EliteとUniball Eyeのインクの違いをペーパークロマトグラフィーで検証します. 両者のインクは見た目では区別できないものの, Vision Eliteの方が,Eyeよりも筆記時の抵抗感が僅かに小さく感じられるので, 何かが違うはず*1. 参考のため他のペンも加え,以下の6本を対象に実験を行います.

  • STABILO社 BionicWorker (バイオニックワーカー; BW)
  • Pilot社 V-corn (ブイコーン; VC)
  • Pilot社 Hi-tecpointV5 (ハイテックポイント; HP)
  • 三菱鉛筆Vision Elite(ビジョンエリート; 以下,VE)
  • 三菱鉛筆Uniball Eye (ユニボールアイ; Eye)
  • 三菱鉛筆Uniball Air (ユニボールエア; Air)

*1:購入直後のEyeはインクフローは若干渋めでしたが, 使っているうちに改善されてきました.Vision Eliteと感覚的に今は違いないように感じます. しかし,筆記抵抗は僅かに違う気がしています.

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Review: Textsurfer Gel (Staedtler)

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Textsurfer Gel(テキストサーファーゲル)は,ステッドラー社の蛍光マーカーペンです. 実用性はほぼゼロですが,個性的で面白いペンです.

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Review: Uni-ball Eye(三菱鉛筆)

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Uni-ball eye(ユニボールアイ)は,三菱鉛筆社製の水性ボールペンです. 上位版には,Vision Elite(ビジョンエリート) があります.Vision Eliteと比較しながら,簡単にレビューします.

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Review: Surface Pro 4 & Surface Pen (Microsoft)

Review

Microsoft Surface(マイクロソフト サーフェス)は,Microsoft社の主力タブレットPCシリーズです. Surfaceシリーズのラインナップは,Surface(無印),Surface Pro,Surface Bookの3種類. 性能は大雑把に言って,次のような関係になります.

(タブレット) < 無印 < Pro < Book < (ラップトップPC)

ラップトップPCとして,使えるのはPro以上ではないでしょうか. 本レビューは,Surface Pro4(執筆時点では最新)と付属のSurface Penに関するものです. 以下,Surface Proを単にSurfaceと呼びます. 無印のSurfaceを指しているのではないことに注意してください.

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