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Review: Surface Pro 4 & Surface Pen (Microsoft)

Review

Microsoft Surface(マイクロソフト サーフェス)は,Microsoft社の主力タブレットPCシリーズです. Surfaceシリーズのラインナップは,Surface(無印),Surface Pro,Surface Bookの3種類. 性能は大雑把に言って,次のような関係になります.

(タブレット) < 無印 < Pro < Book < (ラップトップPC)

ラップトップPCとして,使えるのはPro以上ではないでしょうか. 本レビューは,Surface Pro4(執筆時点では最新)と付属のSurface Penに関するものです. 以下,Surface Proを単にSurfaceと呼びます. 無印のSurfaceを指しているのではないことに注意してください.

Surface Penについて

Surface Penの使い心地

ペン先は樹脂製で,柔軟性があります. 適度に摩擦があり,タブレットのガラス表面でも滑らず書けます. この点については,上手くバランス調整されているように感じます.

遅延は実用上問題なし

Surface Penに関して,一番懸念していたのは遅延(latency), つまり,ペン入力が画面に反映されるまでの時間差でした. 過去に一度だけ,ごく普通のデジタイザペンを店頭で試したことがあるのですが, 普通に文字を書いた程度で,ペン先と筆記線が離れてしまい,話になりませんでした. Surface Penに関しては,遅延は十分小さく,実用上問題ないレベルです. 筆記線がペン先に完全にピタリとくっついてくるわけでは無いですが, 筆記用途ではほとんど気になりませんでした.

バッテリーは単6形乾電池

バッテリーは,単6形乾電池(AAAA size)1本のみ. 単6形の乾電池は,その辺のお店で売っているわけではないので不便です. 単4形では,ペンが太くなりすぎるので,致し方なしでしょうか. Apple Pencilのように充電式ならば文句なしでしたが,乾電池一本で,結構バッテリーが持つようなので, そこまで大きな問題では無いと思います.

ペンの重心

乾電池の収納位置はペン上部であるため,重心が指で持つ部分よりかなり上に来ます. これは,これは人によってはバランスが悪いと感じるかもしれません.

消しゴム

ペンの後端に,アプリ呼び出しボタンがついています. ひと押しで即座にペン対応アプリケーションが起動します. 必須機能とは思いませんが,あればあったで便利です. それよりも,ペンをひっくり返して,このボタンでSurfaceの画面を擦ると, 鉛筆の消しゴム(最近ではフリクションのラバー)のように,線を消すことができます. これは却って面倒かと思っていましたが,実際やってみると意外に便利でした.

Surfaceは紙の代わりになるか?

Surfaceは紙の代わりになるかと言われれば,答えはYES. ただし,紙を完全にSurfaceに置き換えられるかと問われれば,NOと答えざるを得ません. その理由について述べましょう.

校正には圧倒的に便利

紙よりSurfaceの方が圧倒的に便利なのは,PDFファイル(あるいは電子化した書類)の校正です. いちいち印刷しなくとも良いのは本当に楽です.

SurfaceにはDrawboard PDFというアプリケーションが予めインストールされています. 本来は有料ですが,Surfaceには無料で同梱されています. このアプリを使えば,PDFにSurface Penで書き込んだ内容ととも保存できます. 赤色で校正し,黄色でハイライト,キーボードで文字を打って,間違えれば消すこともできる. 校正に関しては,紙とペンを超えたといって過言ではないです.

電子ノートブックとしては・・・

Microsoft OneNoteというアプリを使えば, Surfaceが電子ノートブックになります. ただし,ノートやレポートパッドの替わりになるかというと,ちょっと難しいでしょうか. 確かに,書いた文字をコピーアンドペースト出来たり,画像を張り込んだり,紙のノート にはできない芸当です.しかも,いくら書き散らかしても,紙とは違って無くしたり間違って捨てたりと, 記録が散逸することはありません.タイトルや文字データをタイプしておけば,文字列検索もできます. しかしながら,書く量が増えてくるにつれ,紙の方が作業効率が高くなって来ます. Surfaceは,紙のように並べたり,パラパラ捲ったりできないので, 結構ストレスが溜まります.タブレットスマートフォンで育った世代は, このようなストレスは感じないのでしょうか.

結論としては,

Surfaceは用途によっては紙よりも便利ですが,全体的にはまだまだ紙の方が優位です.

他に気になったこと

想定外の欠点

当たり前ですが,外出時にSurface Penを持っていくのを忘れるとどうしようもありません.Surface Penを何本か買って,カバンや胸ポケットに忍ばせておけば良いのでしょうが, 決して安いものでは無いので,これは宿命と思って諦めざるを得ませんでした.

バッテリーの持ちが悪い

SurfaceタブレットモードとPCモードを切り替えて使うようになっています. タブレットモードにして,操作性がタブレットのようになるだけで, やはりバッテリー消費は変わらないようです. ユーザー側で,多少は省電力設定にできるのですが,それほど効果はありませんでした. 省電力タブレットモード的なものがあれば,とも思わずにいられませんが,これは実現されそうに ありません.素直にiPad Proを選択したほうが良いでしょう.

顔認証ログイン: Hello

あらかじめ利用者の顔をSurfaceに登録しておけば. 内蔵カメラに顔を移せば,Surfaceにノータッチでログインできます. この顔認証によるログインシステムをHelloというそうです. これは,面白いだけでなく革命的に便利でした. とこらが,カバーを開けていないのに,勝手にHelloが起動し, 熱暴走した挙句,バッテリーを使い果たしていたことが頻発したため, 結局今では,パスワード入力という古典的な方法に逆戻りしてしまいました.

iPad Proとの比較

Surfaceと コンセプトとして競合するのは,iPad Proですが,両者の目指す方向性が異なるので,単純に比較はできません. iPad Proは,iOSを搭載した純粋なタブレットであることにこだわり, SurfaceタブレットPCであることにこだわっています. これには一長一短があり,比較は難しいです(しかも,iPad Proを使ったことも無いので). 私がSurfaceを選んだ理由は,単にWindows 10搭載PCが欲しかったのと, Drawboard PDFが無料バンドルされていること,この2点だけでした. ちなみに,普段はMacbook Proを使用しています.

最後に

Surface Penによる筆記が思っていたよりも快適で,最初は紙代わりに頻繁に使っていましたが, 書きたいときに,本体のバッテリー切れ,ペンが見つからない,といったことが度々あって, 結局は紙とボールペンに戻ってしまいました. ただ,校正用途では本当に便利で,今でも使っています.

タブレットとラップトップPCを1台にまとめたい, さらにデジタイザペンで書き込みもしたいという人にとっては,Surfaceは最善の選択だと思います. タブレットだけで十分という人にとっては,iPad Proの方が良いかもしれません.□